知育は「教える」より「遊びこむ」|幼児期に本当に大切な力とは?
「知育って、何をさせればいいんだろう…」
「うちの子、このままで大丈夫かな…」
そんなふうに、不安になることはありませんか?
実は、いま幼児教育の世界では
“早く教えること” よりも、“遊びこむこと” がとても大切だと考えられています。
今回は、鳴門教育大学大学院教育実践教授の佐々木晃先生が語られていた「環境を通した教育」の考え方をもとに、保育園や幼稚園だけでなく、ご家庭でも活かせる子育てのヒントをお届けします。
これからの時代に本当に必要な力とは?
こども家庭庁の方針や、世界的な研究でも、
子どもにとって大切なのは「知識の量」だけではなく、
- 自分で考える力
- 粘り強く取り組む力
- 気持ちをコントロールする力
- 友だちと協力する力
といった、テストの点数では測れない、いわゆる「非認知能力」だと言われています。
ノーベル経済学賞(2000年)の受賞者、ジェームズ・ヘックマン教授の研究でも、幼児期に大切なのは、ドリルや早期学習よりも、遊びや生活の中での体験だと示されています。
「プリントで文字を早く覚えさせること」ではなく、
“豊かな経験と関係性” を通じて人格的な基盤を育てること
だというのです。
「遊ぶ」と「遊びこむ」は、ちがう
子どもは、ただ遊んでいるだけに見えても、
実はその中でたくさんのことを学んでいます。
佐々木先生によると、
「遊び込む」とは、
夢中になって、
発展して、
続いていく遊びのこと。
たとえば…
- 氷を作って「なんで固まるの?」と不思議がる
- 水が溶ける様子を「手品みたい!」と表現する
- 友だちのアイデアに刺激されて遊びが広がる
こうした体験の中で、
- 気づく
- (きづいたことをもとに)考える
- (そして)試す
- (さらに)表現する
という “学びの芽” が自然に育っていきます。
知育にいちばん大切なのは「環境」

佐々木先生は、
子どもを遊びに誘う環境や素材のことを
「遊誘財(ゆうゆうざい)」と呼んでいました。
これは、
- 子どもが思わず触りたくなる
- 自分で工夫したくなる
- 遊びが広がっていく
そんな「きっかけ」になるもののことです。
特別なおもちゃでなくても大丈夫です。
たとえば…
- ペットボトル
- 空き箱
- 水や砂
- 自然のもの(葉っぱ・石・木の実)
こうした身近な素材が、
子どもの探究心や想像力をぐんと引き出します。
親ができる、いちばん大切な関わり方
「じゃあ、親は何をすればいいの?」
答えは、とてもシンプルです。
✔ 教えすぎない
すぐに答えを言わず、
「どう思う?」「なんでかな?」と問いかけてみる。
✔ 共感する
「おもしろいね」「すごい発見だね」と、
気づきや工夫をそのまま受けとめる。
✔ 環境を整える
遊びが続きそうなら、
素材を少し足してあげる。
置き場所を変えてみる。
それだけで、
子どもは「もっとやってみたい!」という気持ちになります。
「知育=お勉強」じゃなくていい
知育というと、
- ひらがな
- 数
- 英語
- ドリル
を思い浮かべる方も多いかもしれません。
でも、佐々木先生が強調されているのは、
幼児期は、
五感を使った体験と、
遊びこむ時間こそが、
一生の学びの土台になる。
ということ。
焦らなくて大丈夫です。
比べなくて大丈夫です。
その子なりのペースで、
「楽しい!」を積み重ねていくことが、
いちばんの知育です。
ママパパに大切にしてほしいこと
ママパパのみなさんには、
- 年齢や発達に合ったおもちゃ
- 遊びが広がる絵本
- 「やらせる」より「やりたくなる」工夫
を大切にしてほしいと思います。
おもちゃは、
教えるための道具ではなく、
遊びこむためのきっかけ。
ママパパが全部教えなくても、
子どもが自分で考え、夢中になれるような
“環境づくり” を意識してみてください。
まとめ
✔ 知育は「早く教えること」じゃなくていい
✔ 遊びこむ体験が、非認知能力を育てる
✔ 親は「教える人」より「遊びこめる環境を整える人」
✔ 身近な素材やおもちゃが、学びの芽になる
子どもの「楽しい!」は、
未来につながる大切な力。
今日の遊びが、
きっと明日の学びにつながっています。