
ドイツのおもちゃはなぜ知育にいい?その秘密を探ってみた!
お子さんの知育玩具を探していると、ドイツ製のものが多いことに気づいたことはありませんか?「なぜ海外、特にドイツの知育玩具が多いの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
今回は、ドイツの知育玩具が発展した背景や、どんな教育思想が影響を与えているのかをご紹介します。
本記事を読むと、おもちゃに対する見方が変わるかもしれません。
職人技術と産業としての継続性
ドイツでは中世の時代から木工技術が発展しており、家具や建築だけでなく、おもちゃ作りにもその技術が生かされています。
- エルツ地方では、18世紀に鉱山業が衰退したことをきっかけに、木製玩具の生産が盛んになりました。ザイフェンという小さな町には、100軒以上ものおもちゃづくりの工房があります。
- ニュルンベルクは、ヨーロッパの交易の中心地であり、古くから玩具産業が発展していました。世界最大のおもちゃ見本市が開催されることでも知られています。
さらに、ドイツでは玩具製造が「職人の仕事」として受け継がれてきたため、10年単位で消えてしまうことなく、質の高いおもちゃが作られ続けています。
教育思想が深く関わっている
西欧には、幼児教育におもちゃを活用する文化が根付いています。その背景には、教育思想の影響があります。
- フレーベル(1782~1852) 幼稚園(Kindergarten)の創始者であり、知育玩具「恩物(おんぶつ)」を考案。積み木などの基礎的な知育玩具の発展につながりました。明治時代の日本の幼児教育もフレーベルの思想を参考にしています。
- モンテッソーリ(1870~1952) イタリアの医師・教育者で、子どもの自主性や感覚的な学びを重視した教育法を考案しました。子どもが「自由に探求しながら学べる」環境を整えるための教具(おもちゃ)が重要視されています。
- シュタイナー(1861~1925) オーストリアの哲学者で、子どもの創造力・感受性・個性を大切にする教育法が特徴です。おもちゃは、「子どもの想像力を広げること」を大切にし、自然素材・シンプルなデザイン・決まった遊び方がないという特徴があります。
このような思想の影響を受け、おもちゃそのものに「遊びながら学ぶ」工夫が施されているのがドイツ製知育玩具の特徴です。
芸術・デザイン・文化とおもちゃ
芸術・デザイン、生活文化なども、それぞれおもちゃに影響を与えています。
モダンデザインの影響
1920年代のドイツでは、合理的で機能的、無駄のないデザインが重視される「モダンデザイン」が発展しました。これは「バウハウス」という教育機関の影響が大きく、シンプルながらも機能美に優れたおもちゃが誕生しました。
数学的・幾何学的な美しさ
ドイツの知育玩具には、黄金比やフィボナッチ数列といった数学的な美しさが取り入れられています。例えば、第7恩物(モザイク)やネフ社の積み木には、幾何学的なパターンが活かされています。
生活文化の影響
ドイツでは、19世紀以降「子どもを保護し、教育する」という考えが広まり、貴族だけでなく労働者階級にも知育玩具が普及しました。また、ドイツ特有の文化や宗教的な行事もおもちゃの発展に影響を与えています。
- ボードゲーム文化:仕事よりも家族と過ごす時間を大事にする価値観があり、家族で遊べる知的な遊びとしてボードゲームが普及。寒い冬には外に出られないため、家の中で楽しめるボードゲームで遊んだとも。
- クリスマスの伝統:クリスマスの生誕セット(クリッペ)やキャンドルスタンドなど、宗教行事に関連する木製玩具も多くあります。
ドイツの代表的な木製玩具メーカー
ドイツには、長い歴史を持つ木製玩具メーカーが数多くあります。
- ベック社:1946年創業の老舗メーカー。「落ちる」おもちゃが代表的で、重力を利用した玉転がしの玩具が特に有名。動きの面白さや視覚的な楽しさを重視しており、子どもの探求心を刺激する工夫がされています。
- ニック社:1991年創業のドイツの高品質な木製玩具メーカー。シンプルで頑丈な作りが特徴で、代表的なものに木のおもちゃの王様「プラステン」など。
- グリムス社:1978年創業のドイツのカラフルな木製玩具ブランド。自然素材を活かし、積み木やアーチ型のブロックが人気。自由な発想で遊べるデザインが特徴。
- ハバ社:1938年創業のドイツの総合玩具メーカー。積み木やボードゲームが有名で、安全性とデザイン性を兼ね備える。約1700種類もの多くの種類のおもちゃを製造。
どのメーカーも、それぞれの哲学や技術を活かしておもちゃを作っています。
知育おもちゃの価格と選び方
ドイツの木製玩具は質が高く、その分、価格もやや高めです。「もっと安い類似品でもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、安価なものの中には
- 著作権や安全基準を満たしていないものがある
- 品質や独自性に差がある
といったリスクがあるため、選ぶ際には安全性やブランドの信頼性を確認することが大切です。
ウィズトイでは、ドイツのおもちゃも取りそろえていますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
ドイツ製の知育玩具が多い理由には、次のような背景があります。
- 教育思想が深く関わっている
- 高い職人技術と産業の継続性がある
- 芸術やデザインの影響を受けている
- 質の高いメーカーが長年にわたり製造を続けている
お子さんの成長を考えたとき、ただ遊ぶだけでなく、学びにつながるおもちゃ選びをしたいですよね。ぜひ、おもちゃ選びの参考にしてみてください。