絵本と遊びで育てる!子どものことばと思考力

絵本と遊びで育てる!子どものことばと思考力

 「うちの子、ことばの発達は大丈夫かな?」「どうすれば考える力を伸ばせるんだろう?」
 子育て中に、こんな不安や疑問を抱いたことはありませんか?

 実は、ことばの力と思考力はコインの表と裏のような関係にあり、どちらも互いに育ち合う存在です。ことばを覚えることは単なる暗記ではなく、「考える力」を育むトレーニングそのもの。逆に、考える力が伸びることで、ことばの理解や使い方も広がっていきます。

 そして、その基盤をつくるのが「絵本」と「遊び」です。これらは、特別な教材や勉強よりもずっと自然に、そして楽しく子どもの力を伸ばしてくれます。

 今回は、認知言語発達科学などを専門としている今井むつみさんの著書を参考に、子育てや保育のヒントとして、絵本と遊びがどう子どもの発達を支えるのかを具体的にご紹介します。

ことばを覚えるのは「考える練習」

 子どもは大人が思う以上に、ことばを「考えながら」学んでいます。

 たとえば、「これはうさぎだよ」と教えても、子どもは心の中で「どこまでが“うさぎ”なの?」「ウサギのぬいぐるみも“うさぎ”なの?」と境界を考えています。これは大人が教えられることではなく、子ども自身が試行錯誤しながら理解していくもの。

 日常でも同じことが起きています。

  • 「おかたづけしなさい」と言われて、机の上だけ片付けたら良いのか、床もやるべきか迷う
  • 「小さいゾウ」という言葉を聞いて、「ゾウは大きいはずなのに…」と基準を探す
  • 「大きいネズミ」と比べて、「どちらが大きいの?」と頭をひねる

 こうした迷いや推測は、すべて「ことばを考える力」を育てる大切な過程です。

絵本の読み聞かせが生む「語彙力」と「考える力」

 幼児期の絵本の読み聞かせは、語彙力や読解力に直結します。

 ある研究では、家庭環境によって子どもが耳にする語彙量に数千万語もの差があることが報告されています。この差は幼稚園入園時点で既に現れ、その後の学力に大きく影響することが分かっています。

 絵本は、日常生活では触れにくいことばや表現を子どもに届けます。たとえば「こぐまちゃんのホットケーキ」には「ドンドン」「パチパチ」といったオノマトペ(擬音語や擬態語)が登場します。リズミカルで分かりやすく、動作や感覚を伝えるのにぴったり。子どもは自然にことばの幅を広げていきます。

 また、ストーリーを通して「登場人物はどう感じているか」「次は何が起こるか」を考えることで、相手の視点を理解する力や、因果関係を推測する力が養われます。これは後の読解力、さらには問題解決力につながっていきます。

事例:絵本の中のオノマトペ
 3歳の子に「ごろごろ」という表現を説明するのは難しいですよね。でも、絵本の中で雷の音や石の転がる場面に「ごろごろ」が出てくると、一気に意味がつながります。子どもは「ことばの仕組み」を体験として学んでいくのです。

遊びは学びの宝庫

 遊びは「お勉強」ではありませんが、ことばや思考を育てる最高の場です。

  • ブロック遊び
    「高い」「低い」「長い」「短い」といった比較のことばが自然に出てきます。崩れたときには「なんで?」と原因を考える力も育ちます。
  • おままごと
    「切る」「混ぜる」「分ける」などの動詞に触れられます。さらに「今日は誰がお母さん役?」と役割を変えることで、視点の切り替えも学びます。
  • クッキー分け遊び
    「同じ数に分ける」ことは算数の基礎。「ぼくのほうが多い!」というやり取りを通じて、公平さや数量感覚が育ちます。
  • 時計やカレンダー遊び
    「2時間後」「来週」「昨日」など、時間のことばは抽象的で難しいもの。遊びながら繰り返すことで、少しずつ定着していきます。

足場かけ(スキャフォルディング)の工夫

 保育の現場でよく使われる「足場かけ」という考え方は、家庭でも役立ちます。

 たとえば、子どもが動き回る金魚を数えようとして途中で分からなくなったとき、保育士は「まずは動かない石を数えてみようか」と声をかけました。
金魚そのものを数えたい気持ちは大事にしつつ、「数える練習は動かないものから始めるとやりやすい」と体験を通じて気づかせる。
こうした“段階を踏む工夫”こそが、足場かけなんです。

 家庭でできる小さな足場かけの例:

  • おやつを分けるときに「みんな同じ数にできるかな?」と促す
  • お出かけ前に「あと5分で出発だよ」と時間の感覚を伝える
  • ブロックを積みながら「こっちのほうが高いね」と比較のことばを添える

 こうした日常の関わりが、子どもの「自分で考える力」を伸ばします。

デジタルよりも「紙の絵本」が効果的

 最近はデジタル絵本も増えていますが、研究では「紙の絵本のほうが語彙習得に効果的」という結果が報告されています。特に1歳児の場合、紙の絵本で覚えたことばは新しい場面にも応用できますが、デジタルだけでは難しい傾向があるのです。

 これは、紙の絵本を読むときに親子のやり取りが自然に生まれるから。つまり、ことばを学ぶ鍵は「メディアの種類」ではなく「人との関わり」。親子で楽しみながら読む時間こそが、子どもの力を育むのです。

まとめ

  • ことばの習得は暗記ではなく「考える力」を育てる過程
  • 絵本の読み聞かせは語彙力・読解力を伸ばし、学力の土台になる
  • 遊びは学びの宝庫。数や時間、動詞や形容詞の理解が自然と育つ
  • 保護者の役割は「教える」ではなく「気づきを支える」こと
  • 紙の絵本は親子のやり取りを生みやすく、ことばの定着に効果的

 ことばと思考力は、右足と左足のように互いに支え合いながら成長していきます。

 絵本と遊びを通して、お子さんと一緒に楽しみながら一歩ずつ前に進んでみませんか?

ウィズトイができるサポート

 ウィズトイは、その歩みを支えるパートナーでありたいと考えており、知育おもちゃと絵本のサブスクを通して、子どもの「ことばと思考力」を家庭で育むお手伝いをしています。

  • 絵本:オノマトペや感情表現が豊かなもの、親子の対話を引き出すものをセレクト
  • おもちゃ:数や形、比較や分ける感覚を育てるものを厳選

 「学び」を意識しなくても、遊びや読み聞かせの中で自然に力が育まれるよう工夫しています。むしろ、「学び」を意識しない「楽しい遊び」の中でこそ、子どもは成長していくのです。

 子どもの「ことば」と「考える力」は、日々の小さな積み重ねから育ちます。ぜひ、親子で楽しむ時間を大切にしてくださいね。

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